現在数々のマスメディアの誤った情報によって、ギャングの様なダボダボの服を着るファッションのことを「BBOY」と解釈してしまっている人が多い。しかし、上述してきた様にルーツは「Break-boy」のことなのである。
“BLACK LIFE”1)によると、もともとHIPHOPが誕生した時から何も誰もがこんなダボダボなファッションをしているわけではなかった。パンツが大きいのには理由がある。ゲットーに住む黒人家庭は、兄弟が多く、お金もなく新しいものを買うことができなかった。だから「上からのお下がり」ということで服を再利用していたため「ダボダボと大きい」のである。
また、ドゥ・ラグ(頭にかぶっている布、ネットみたいなもの)も、今やこれもファッションとして定着しているが、元はアフロを押さえるためというところから始まった。
そしてあのゴツゴツしたアクセサリーについては、稼いだ金をゴールドやシルバーに変え、「見ろ、俺はこんなに稼いでるんだ」という自慢のようなものであった。
また、パンツの片足(左足)の裾をあげるというファッションにも由来があり、これももとは黒人が一昔前に良くしていたスタイルであった。映画で銃(ピストル)やナイフを左足のふくらはぎに忍ばせる場面があり、これは黒人が回りに「俺は何も持っていない」とアピールするための行為であったと言われる。
“ピース(平和)”をアピールしていたスタイルが、今現在のその片足を捲り上げるというファッションとなっている。